U-ka saegusa IN db II 04.11.17 / GZCA-5055 MANUFACTURED by GIZA studio/GIZA,INC. DISTRIBUTED by J-DISC Being |
01.いつも心に太陽を 作詞・作曲:三枝夕夏 / 編曲:小澤正澄 02.眠る君の横顔に微笑みを 作詞:三枝夕夏 / 作曲:大野愛果 / 編曲:小澤正澄 03.ココロが止まらない 作詞:三枝夕夏 / 作曲:大野愛果 / 編曲:徳永暁人 04.胸いっぱいのこの愛を 誰より君に 作詞:三枝夕夏 / 作曲:大野愛果 / 編曲:小澤正澄 05.青春の空 作詞:三枝夕夏 / 作曲:岩井勇一郎 / 編曲:小林哲 06.へこんだ気持ち 溶かすキミ 作詞:三枝夕夏 / 作曲:大野愛果 / 編曲:小澤正澄 |
07.笑顔でいようよ 作詞:三枝夕夏 / 作曲:大野愛果 / 編曲:小澤正澄 08.最後のキスは氷のように冷たかった 作詞:三枝夕夏 / 作曲:五大ゆり / 編曲:古井弘人 09.吹きすさぶ風の中で 作詞:三枝夕夏 / 作曲:徳永暁人 / 編曲:小澤正澄 10.私を許さないで 作詞:三枝夕夏 / 作曲:小松未歩 / 編曲:後藤康二 11.Hand to Hand 作詞:尾崎春美・三枝夕夏 / 作曲:大野愛果 編曲:小澤正澄 12.君のハートに胸キュンA 作詞:三枝夕夏 / 作曲:岩井勇一郎 / 編曲:後藤康二 |
未公開ショット詩集風ブックレット「bottom of my heart」添付 ボックスケース仕様 |
三枝夕夏 IN db セカンドアルバム「U-ka saegusa IN db II」2004.11.17 リリース!! シングルナンバーを中心にカバー曲まで収録したベスト盤カラーのコンセプト・アルバム。人気番組のテレビ タイアップが付いた先行シングル4曲と、三枝夕夏作詞提供曲3曲のセルフカバーを収録。 前作「三枝夕夏 IN db 1st」の実験的に取り入れられたロックテイストを基本的にそのまま踏襲し、 よりキャッチーかつメロディを重視した楽曲制作に取り組まれたことが伺える。 カップリング曲・カバーナンバーを含めれば、12曲中シングル曲9曲がシングルとしてリリース、 これは2004年の三枝夕夏 IN dbがいかに順風満帆な環境の中で活動された確かな証。 ジャケットデザインも、前作から見違えるほど。完璧だ。 前作「三枝夕夏 IN db 1st」と比べ、よりシングル中心に固められた収録スタイルに関しては ひとつの“コンセプト”であるが、この部分はおそらく賛否両論分かれるところ。しかし、ライブでしか聴くことが 出来なかったカバーナンバー(M-03,04,09)は、既発シングルをよく知っているリスナーの耳にも 確かに新鮮な“デシベルアレンジ”として蘇っていて飽きることはない。 また、前々作・前作に見られた、三枝夕夏が綴る、夢・友情・故郷へのひたむきな想いをバラードに乗せた 大失恋ナンバー(M-05.青春の空)も収録され、早くも「Graduation」と並ぶ名曲として前評判も非常に高い。 他にも初の小松未歩提供曲(M-11.私を許さないで)や、公募詞との初の共作(M-12.Hand to Hand)は、 話題性が先行しそうな印象があるが、珠玉のミディアムチューンとしてアルバム全体の根幹を支えている。 そういう意味でも、今作は決してシングル集めのベストではなく、確かなコンセプトに 基づいて制作されたことが感じられる。 故に、3作目にして恐ろしいほどのクオリティ。私の勝手なイメージかもしれないが、たいていのアーティストは アルバムも3枚目まで作ると、完璧を求めるあまり、おかしな方向にコンセプトを持っていったり、 自己満足が鼻に付くことが多いような気がする(それをリスナーがどのように受信し、理解するか・・・ そこがポイントとなるのだが)三枝夕夏 IN dbに関しては、その心配は皆無であって、 おそらくプロデュースワークが完全な形で機能しているのか、メンバー本人らも途中参加という形で 活動し始めたという特殊なバンドスタイルをとっていったこともあるかもしれないが、「三枝夕夏 IN db として、どうあるべきか」を自らよく分かって楽曲制作に取り組んでいるかが、非常に伝わってくるのである。 これは、リスナーにとって他ならない安心感のもとで楽曲が提供されていることになるわけで、 期待が裏切られることなんか、“そもそも論”としてあり得ないコトなのだと思う。 もともとアイドル的要素が否めない三枝夕夏 IN dbであったが、既にアーティストスタイルとして バンド編成のイメージも固まった。女性ボーカル+バンドというスタイルは、ともすれば老成した印象を 持たれることもあるが、楽曲面ではスタンダードを押さえつつも、引き続きライブで 思いっきり遊べる曲(M-06.へこんだ気持ち 溶かすキミ)など、他のアーティストではそうそう 真似できない楽曲の引き出しを持ち合わせているし、これは唯一無二の路線として引き続き期待できる。 昨今の「こ難しいヒット曲」に食傷気味の“Jポップ好き”の方々に是非聴いて頂くことを願う。 ※以下、すべて敬称略 |
01.いつも心に太陽を 作詞・作曲:三枝夕夏 / 編曲:小澤正澄 以前から公言していた自作曲リリースがいよいよ形となった記念すべき最初の1枚目となった 10thシングル。 イントロのギターソロやマイナー進行するメロディラインともに三枝夕夏 IN dbとしては ある意味イメージを打破した曲。これは「誰でも口ずさみやすいメロディを」と、 三枝夕夏が意図的にこだわったもの。哀愁を感じる懐かしいメロディが新鮮。 そんな郷愁の世界に誘う“夕夏メロディ”に添った形か、 詞世界は徹底的な自問自答。いつも心に太陽を・・・抱いて生きたいもの。 |
02.眠る君の横顔に微笑みを 作詞:三枝夕夏 / 作曲:大野愛果 / 編曲:小澤正澄 イントロのストリングスが新しい、7thシングル。友人の結婚を知り詞が完成したという ハートウォーミングなミディアム・ナンバー。リリースは今年の3月であるが、 もう随分前のシングルで、既に懐かしいような気がしてならないのは、私だけではないだろう。 |
03.ココロが止まらない 作詞:三枝夕夏 / 作曲:大野愛果 / 編曲:徳永暁人 韓国から飛び出した4人組女性ユニット“JEWELRY”の日本デビューとなった楽曲で、 Vo.三枝夕夏が作詞家として活動し詞提供を行った曲。JEWELRYによるオリジナル バージョンは、ちょっと前のフロア系をイメージしたダンスナンバーであったが、 今回のカバーバージョンはオリジナルにあった疾走感をそのままキープしつつ、より バンドサウンドに接近した“デシベルバージョン”と呼ぶに相応しい新しいアレンジ。 ツアー「One 1 Live」で初演奏された。 随所に絡んでくる大野愛果のコーラスとの掛け合いが気持ちの良い、テンションの高い楽曲。 楽曲に合わせ、詞世界も「夢に向かい加速する」「夢へのブレーキかからない」と、 ポジティブでスピード感のある言葉を選び、練り込まれているようだ。 |
04.胸いっぱいのこの愛を 誰より君 作詞:三枝夕夏 / 作曲:大野愛果 / 編曲:小澤正澄 “JEWELRY”のセカンドシングルで、こちらもVo.三枝夕夏が作詞を担当。 JEWELRYによるオリジナルバージョンは「ココロが止まらない」に引き続きダンステイスト 豊かなミディアムなイメージであったが、対して今回のデシベルバージョンは一気に イメージが変わり、ドンシャリが気持ちの良いキュートなロックナンバーに生まれ変わった。 実はVo.三枝夕夏お得意のサマーナンバーで、この路線は久々なのかもしれない。 ボーカルスタイルもどこかしら最近の三枝夕夏 IN dbとは違う、デビュー当初を髣髴とさせる キュートで伸び伸びとしたイメージで新鮮。ツアー「One 1 Live」で初演奏された一曲。 |
05.青春の空 作詞:三枝夕夏 / 作曲:岩井勇一郎 / 編曲:小林哲 初収録となる新曲。作曲はG.岩井勇一郎担当のデシベルオリジナル曲で、 ミディアムバラードナンバー。随所に、デビュー当初からセカンドアルバムにかけて コンセプチュアルされていた夢・友情・故郷へのひたむきな想いを突き上げるように 歌われるスタイルを今に蘇らせた、三枝夕夏スタンダードなイメージを感じる一曲。 デビュー当初からのファンにはたまらない楽曲だろう。アルバム12曲の中でも 突出して存在感を感じる超名曲。 |
06.へこんだ気持ち 溶かすキミ 作詞:三枝夕夏 / 作曲:大野愛果 / 編曲:小澤正澄 ライブでもお馴染み、三枝夕夏 IN dbお得意の「夏路線」スピードポップナンバーの8thシングル。 2004年版「CHU☆TRUE LOVE」と捉えられがちだが、サウンド面では全く異なる バンドサウンドをふんだんに取り入れた新しいテイスト。 A〜Bメロからサビへの転調、ブラス系の音色など、とにかく楽しさを全面に 押し出し飽きさせないアレンジを採用し、ラストの大野愛果のコーラスはまさに「サイコー!」。 初ツアーライブでも、Dr.車谷啓介によるダンス指導とサビ振付が大好評となり、また、 見ているほうが思わず赤らんでしまうほど、キュートなプロモーションビデオも 非常に話題となった。この路線は今後も続けて欲しい・・・欲を言えば1年に一曲で 良いので、続けて欲しいところ。 |
07.笑顔でいようよ 作詞:三枝夕夏 / 作曲:大野愛果 / 編曲:小澤正澄 試験的要素を含んだシングルを連発していた過渡期に制作された楽曲と思われる、 最近の三枝夕夏 IN dbとしては異色作の9thシングル。ミディアムながら、 メロディの芯の太さとスリリングな展開、キラキライメージのアレンジが、聴いていて 非常に気持ちが良い。 真っ直ぐに歌われるVo.三枝夕夏のボーカルスタイルも非常に新鮮。 自問自答しながら答えを模索する主人公は、三枝夕夏スタイルを象徴させるイメージ。 |
08.最後のキスは氷のように冷たかった 作詞:三枝夕夏 / 作曲:五大ゆり / 編曲:古井弘人 意味深なタイトルであるが、あからさまに死をテーマに描かれた楽曲はこれが初。 「いつも心に太陽を」のカップリング曲で、年齢性別問わず人気の高い一曲であり、 収録予定がなかったにも関わらず、あえて収録ことになったという。 Vo.三枝夕夏のキャラクター豊かなボーカルが堪能できる珠玉のバラード。 作曲は「Secret&Lies」以来の五大ゆりが担当。 |
09.吹きすさぶ風の中で 作詞:三枝夕夏 / 作曲:徳永暁人 / 編曲:小澤正澄 ツアー「One 1 Live」で初演奏された“WAG”のカバー曲で、作詞はVo.三枝夕夏が 担当。ライブでも意外な選曲で、非常に評判の高かったらしい。 オリジナルが男性ボーカルであるにも関わらず意外なバランスの良さがあり、 三枝夕夏 IN dbオリジナルとしても違和感を感じない、不思議なカバーソングとなっている。 少しシャウト寄りのサビにも関わらず、キュートさを抜き気味に歌われる様子が新鮮。 |
10.私を許さないで 作詞:三枝夕夏 / 作曲:小松未歩 / 編曲:後藤康二 三枝夕夏 IN dbへの小松未歩初提供曲。メロディにかなり特徴を持った 作曲家の手による楽曲であるためか、狂おしいほど切ない小松未歩ワールドに、 Vo.三枝夕夏のボーカルが乗っかった様子は、あまりに鮮烈で驚きを禁じ得ない。 アルバムでしか聴くことの出来ない、贅沢な試みだろう。 |
11.Hand to Hand 作詞:尾崎春美・三枝夕夏 / 作曲:大野愛果 / 編曲:小澤正澄 Vo.三枝夕夏が審査員として参加した「安全なまちづくり」イメージソングとして愛知県警が 公募し、最優秀作品に三枝夕夏が補作詞し楽曲を付けたもの。今回の「U-ka saegusa IN db II」、 一見するとただのベストアルバムであるが、実は意外にも初モノが楽曲として形となった パターンが非常に多い、バラエティ豊かなアルバムであることを伺い知ることが出来る。 この「Hand to Hand」、メロディとしては「笑顔でいようよ」から通ずる、芯の太さを感じる、 三枝夕夏もお気に入りの超名曲。初めての地元名古屋のご当地ソング(!?)を自ら歌うという ことになり、三枝夕夏本人も一際感慨深いことだろう。 しかし、いつの間に、ここまで懐の広い歌を歌えるようになってしまったんだろうか、いちファンと しても、非常に感慨深い一曲となりそうだ。 |
12.君のハートに胸キュンA 作詞:三枝夕夏 / 作曲:岩井勇一郎 / 編曲:後藤康二 「One 1 Live」でも大好評だったイケイケ・ロックチューンがなんとアルバム収録!! 楽曲中にも随所に見せ場があるので、聞き流すことなく完璧に覚えておきたい一曲。 しかし、G.岩井氏の曲を歌うと、決まってVo.三枝夕夏のボーカルスタイルにかなりの変化が 見られるように感じるのは私だけだろうか・・・?ワン!ツー!! |
筆者より最後に・・・ 2004年、三枝夕夏 IN dbファンにとっては何かと思い出深い一年になったことでしょうか。 かなりの本数のライブが行われ、ひっきりなしにシングルがリリースされ、テレビにも 出演しまくり、ファンクラブも出来、ワンマンライブも成功し、タイミングを合わせたかのように、 ちょうど1年ぶりにアルバムがリリースされ・・・ 何もかもが予定通りに進んでいるような順風満帆の中、“三枝夕夏 IN dbファンとして一番忙しかった 一年”が終わりに近づいてきました。総括するには非常に良いアルバムではないでしょうか。 勇気付けられたり、癒されたり・・・聴く人それぞれの感想を抱かれたかと思いますが、私は、 最近特に、彼女の詞世界には共感を抱いてしまう部分が多く、歌詞カードをじっくり見入りながら 聴くようなスタイルになりそうな気がしています。 GIZA studioさんのみならず、音楽業界が徐々におかしな方向へ進んでいて、そういう逆風の中、 ここまで活発に活動を続けられる三枝夕夏 IN dbの4名に、敬意を表したいところ。そういう敬意を 含め、気合でアルバム紹介を書きました。去年は内容も間違いだらけで、いろんな方面から 叱られてしまったので、、、今回は極力、主観は盛り込まないよう気をつけましたので、 ちょっとムカつく部分があっても、読み流していただければ幸いです。主観が入らないと、 読んでてつまらないと思うんですが、ネット文化が発達してから、他人の主観を過剰なほど嫌う方も多く、 (じゃぁ読むなよという意見もありますが)、書く側としてもそこは、嫌悪感を抱く方のために 気をつけなくてはいけないという配慮をしたつもりです。 ではまた、1年後、新しいアルバムを聴くことが出来ますように・・・。 |