2002年6月12日
防衛庁 長官 中谷 元様
イージス艦(シビリアンコントロール)派遣要請に関する質問状


【当サイトへの転載にあたって、原文マルつき数字は「◎1」などとした】
提出者
住所 略
NO!有事立法23区ネット
代表 伊藤 瀧子
TEL/FAX 略

質問状前文

                            2002年6月12日

イージス艦(シビリアンコントロール)派遣要請に関する質問書

イージス艦問題に関する諸問題

一、 まず、シビリアンコントロール(文民統制)についてご質問します。これについて防衛庁はどのように認識されているのか、明確にお答えください。

二、シビリアンコントロールは防衛庁制服組みと、どのような関係があるのか、ないのか教えて下さい。

三、防衛庁制服組みは1980年代からシビリアンコントロールを犯してきたと指摘されています。こういう噂が取り沙汰される根拠はどこにあるのでしょうか。具体的にお答えください。

  四、防衛庁におけるシビリアンコントロールの存在が具体的に報じられたのは、5月6日の『朝日新聞』朝刊です。この報道をご存知ですか。報道を知った時点でどう思われましたか。具体的にお応えください。

五、この問題は防衛庁広報課海和さんから、「事実ではない」「新聞に名前の出ている(香田洋二海上幕僚幹部防衛部長のこと)本人から確かめた」とする否定の連絡(5,30)を受けたり、有事法制特別委員会(5,7)においても、小泉首相、中谷防衛庁長官からも同様の否定があったことは前述しましたが、他方、朝日新聞社は、「記事は十分な取材に基いて掲載した」と対外的に公文書まで発行し、自社記事の正当性を訴えています。「虚偽の報道をしたならば、朝日新聞紙面で購読者にお詫びするが、この記事はあくまでも事実」と、社の信用問題についても言明しています。また記事自体は相当綿密な取材を行い、報道しています。要点を抽出してみますので、質問にお答え下さい。

◎1、 朝日の情報源は、「日米双方の安保関係筋」であるとしている点について、信憑性はあるのでしょうか。具体的にお答え下さい。

◎2、報道の対象にされた自衛隊員は、「防衛庁海上幕僚監部(海幕)の幹部」。(香田洋二海上幕僚幹部防衛部長のこと)と、固有名詞で指摘されている根拠は何か。具体的にお答え下さい。

◎3  海幕が交渉を持ちかけた相手方は、「在日米海軍チャプリン司令官」と固有名詞で報道されています。防衛庁制服組みのこういう政策交渉は日常茶飯的に行われているのでしょうか。正確かつ、具体的にお答え下さい。

◎4  会談場所は「横須賀基地」。防衛庁制服組みと在日米側要人とが会談し合うのは、ほとんど横須賀基地内ですか。具体的に述べて下さい。

◎5  交渉日は「2002年4月10日」と特定されていますが、その根拠については、何か思い当る節がおありでしょうか?これについても具体的にお答え下さい。

シビリアンコントロールを破壊する内容については、以下の3点を挙げられています。海幕(香田洋二海上幕僚幹部防衛部長のこと)は準備したメモ書きにそい、これらの要求を行ったと報じています。これについて順次お尋ねします。

、、「海自イージス駆逐艦は警戒監視能力に優れ、米海軍との情報交換分野で相互運用性(インターオペラビリティ)が強化できるので派遣を期待する」

質問 、、については、自衛隊員がイージス艦の能力を実際に試してみたいという願望を満たすために持ち込まれた話のように理解できますが、そういう解釈の仕方でよろしいのでしょうか?具体的にお答え下さい。

・、「捜索救難の分野で高度の水上監視能力を持つ海自P3C哨戒機による支援を期待する。もしディエゴガルシア島付近に来てもらえば大いに評価する」

質問 ・、については、まるきりアメリカ側の要求と受け止められる内容になっていますが、こういう交渉内容はいわゆる個人的発想ではなく、少なくとも、制服組み上層部の申し合わせによる計画的行動だと推測されますが、これについてはいかがでしょう。具体的にお答え下さい。

ヲ、「海自補給艦2隻のインド洋展開をできる限り長く維持してもらえば非常に喜ばしい」

質問 ヲ、については、5月、日本政府の決定により、延長が決まりました。しかし、これらについて、朝日の記事は大要、こういうふうに報じています。

日米双方の安保関係筋によると、海幕幹部は4月10日の在日米海軍司令官との面談で、テロ特措法に基づく支援活動を5月19日の期限切れ後も延長する方針を前提に、米側から次(上記)の3項目を日本側に要請するよう、準備したメモ書きにそって促した」。

 さらにこれについて、裏工作を持ちかけられたチャプリン司令官は、「(権限を越えるので上級の)太平洋艦隊司令官に伝える」とだけ答えたと報じられています。

 また、米軍事筋は朝日の取材に対して、日本の海幕幹部による働きかけの理由として、こういう説明を加えたとも、明らかにしています。
「仮に、米軍がイラク開戦に踏み切ってしまってからでは、イージス艦や、海自P3Cの派遣は難しくなる。何もないうちに出しておけば、開戦になっても問題にはならないだろう」

 質問 つまり、自衛隊は好戦的で、アメリカの戦争協力に絶大な情熱を燃やしているように受け止められるのですが、実際には如何でしょうか。具体的にお答え下さい。

六、 この後の経緯として、ワシントンで開催された審議官級の日米安保事務レベル協議(ミニSSC)開始に先立つ日米の折衝で、米側から非公式な派遣打診があったり、4月29日には、ワシントンを訪ねた与党3党の幹事長に対し、ウォルフォビッツ国防副長官が派遣要請したというプロセスまで、明らかになっています。

*質問 つまり、今回の問題で明確になったのは、イージス艦やP3C哨戒機のインド洋派遣などにかかわる軍事政策が、実質的には、政府筋で練られたものではなく、自衛隊制服組みが米軍に持ちかけた政策であり、いわゆる政治が軍隊によって動かされている(シビリアンコントロールの破壊)という、決定的な証拠になると私たち国民の目には映るのですが、これについて、防衛庁の責任ある答弁を求めます。

以上

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