大田区長 西野善雄 様
「有事法制関連三法案」に関する質問書


                              2002年5月20日

一,  小泉政権は4月16日、有事法制関連三法案を閣議決定し、今国会での成立を目指していま すが、当自治体はこの法案が今の日本にとって、絶対必要な法律であると思われますか。お答え ください。

二、戦後50数年、日本が平和でいられたのは、憲法九条を遵守し、非武装を貫いてきたからと思われますか。それとも安保条約により、日本はアメリカに守られていたと思われますか。ご見解をお示しください。

三、この有事法制関連三法案の内容について、当自治体に政府から事前の説明、あるいは情報の提供等がありましたか。あった場合はその内容について、具体的にお述べください。

四、この法案では、武力攻撃が予想される事態も有事と定義されていますが、その判断基準につ いて、正確な情報・あるいは正しい情報が指令中枢(総理大臣)に届くと確信できますか。現在 の外務省体質では不安だとの世論がありますが、どう思われますか。お答えください。

五、国民の私権について、国は適正な手続きで権利制限を実施するとし、従わなかった場合は罰則が課せられる規定があります。また福田官房長官は「国民の自由と権利」の制限対象について、「言論・集会の自由」まで含むと述べていますが、これらは日本国憲法に違反し、基本的人権を侵害するものと思いますが、当自治体においては、如何お考えでしょうか。お聞かせください。

六、この法案は、「武力攻撃事態」を想定していますが、当自治体はわが国が「武力攻撃」を受ける怖れがあるとお考えでしょうか。あると思われる場合は予想される国名や、その理由を具体的にお書きください。

七、小泉首相は昨年9月_2日(ニューヨークテロの翌日)、山崎幹事長に「俺はついている」(『週刊東洋経済』11月10日号90ページ掲載)と洩らしたそうですが、これはアメリカからの外圧もあり、小泉首相が就任演説で、「改憲を視野に入れ」と述べたことと無縁ではなく、歴代与党政権が有事法制立法化のタイミングを図っていたと受け止められますが、これに関して如何お考えですか。お答えください。

八、朝日新聞5月5_6日付けの報道で、アメリカからのイージス艦派遣要請が実は自衛隊海幕の裏工作であったという、いわゆるシビリアンコントロール(文民統制)の問題に関して、お伺いします。政治に軍隊が介入してくるという、こういう事実を踏まえ、仮に有事立法が成立した場合、有事の判断や指揮に、政府が適切、且つ正しい判断が下せると確信できますか。これらについて、当自治体のお考えをお聞かせください。

九、また5月15日のニューヨーク・タイムズのスクープ記事により明らかになった情報によれば、今回のテロ報復戦争は実はブッシュ政権の野望(添付資料)であり、小泉政権ははめられたとの見方がありますが、これについてはどう思われますか。お聞かせください。

十、今回の法案は、現在国策として推進中の地方分権の対極にあり、地方自治法に定められた以下の規定、「地方公共団体の自主性及び、自立性が十分に発揮されるようにしなければならない」という文言に真っ向から対立することになると思うのですが、この矛盾点についてどう思われますか。ご見解をお示しください。

十一、最後にお尋ねします。当自治体は現在審議中の有事法制関連三法案について、これを適切な内容だと思われますか。あるいは不適切だとし、政府に「意見書」あるいは要望、または廃案を求める要請等行う用意がありますか。お示しください。

なお、同封の資料は5月17日決議された三重県議会の決議書と京都府・大山崎町の総理大臣宛ての「意見書」です。他に秋田県等いくつかの決議書がありますが、それらは省略します。ご参考までにどうぞごらんくださいませ。

数多くの質問をさせて頂き、どうも有り難うございました。この回答は誠に恐縮ですが、5月24日午前中に頂きたく、お願い申し上げます。本運動に関わっています区民幾人かでお伺い申し上げますので、よろしくご配慮くださいませ。
なおこの質問書は公表させて頂くことをあらかじめご了承くださいませ。
以上
  NO!有事立法23区ネット
  代表 伊藤 瀧子
  (都合により住所・連絡先割愛)  

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