暗い空を求めて
このごろは市街地から離れて星をみようとしても、どこまでも光害(こうがい、ひかりがいともいう)
が追いかけてきて、天の川を見るのさえ一苦労になってきてしまいました(特に本州太平洋岸)。
良い星空の条件と言えば、次のようなことが挙げられるでしょう。
1)6等星が分かる(視力1.0程度の人で。)。
2)夏は天の川がはっきり見える(あれ、あの雲まだどかないのかなぁ、と思ったらそれが天の川だったという
笑えない?話があったり^ ^;) )
3)2〜3等級の流星が分かる(周りの星と比べる。)。
近年、関東地方や関西、中京地区では「都会から150km離れてもまだ都会の灯火が追いかけてくる」つまり
光害が100km以上にも続いていることが少なくありません。現に八ヶ岳山麓では甲府盆地の光害も手伝ってか
南東の空がぼうっと明るくなってきているとさえ言われています。
星空を見にくくするのは光害ばかりではありません。
あ. スモッグ、もやの類〜管理人の経験則から
一概にもやと言っても色々な物がありそうです。ここでは特に海抜500m〜900mにあるもやの層を問題にしたい
と思います。
管理人の経験や以前から言われていることを統合すると、この高度には「高度の割に星が見えない」原因となる
もやの層があるようです。事実、この高度を抜けると、今まで高さに比例して(言い換えれば高度に比例して空気
が薄くなる→透明度が良くなる)はいなかった空のクリアさが俄然、アップしてくるのをよく経験しました。
この、500m〜900mを抜けると写真の写りも肉眼で見たときの最微光星や「抜け」の良さも今度は高度に比例
して改善されるのが分かります。2000mを越えると写真では理論通りと言ってもいいほどの写り込みがわかります。
このもやの層に関しては定量的なデータを取っていないので、学術的には何とも言い難いところですが、どなたか
このもやの層の測り方やデータをお持ちの方がおられないでしょうか?
い.海、湖など湿気を出す物
湖や海などは当然湿気を出していますから、特に水平線から高度30〜45°付近までは星の光はブロックされてしま い、クリアな星空は望めません。これは光害を助長する方向にも利いてくるようです。カメラや望遠鏡のレンズが結露
しやすくなるデメリットもあります。
このほか、暗黒の中に街灯が一本ついていても、人間の瞳孔を小さくしてしまうので侮れません。
グランドシートなどで目隠しをするなどして視界内の灯火を避けましょう。
結論
1)星を見に山の中へ分け入るなら、空気が乾燥した標高1000m以上の視界が開けた場所を狙え。
2)出来るだけ市街地から離れよ。(しかし市街地に近くても良い場所はたまにあります。要偵察)
2)視界内から街灯、自動販売機など灯火類を避けよ。
3)海、湖沼、川などのそばでは湿気の影響を受けると考えよ。
4)夜露などレンズの湿気対策は万全に(旧式な灰式懐炉が一番良い。人間以外には酸化鉄式のホッカ○ロ、ホ○ロンは
使えないので注意)
蛇足 以前使えたのにゴミを放置したり、夜間に大騒ぎをする一部の不心得者のおかげで折角良い場所なのに夜間立入禁止
になる場所が増えています。
とるのは写真だけ、残すのは足跡を消した跡だけ?
標高1200mで撮った白鳥座 撮影データ Nikon FM2 Nikkor 50mmF1.4 f2 10分露出 フジカラーISO100 60mm屈折赤道儀にて手動ガイド 10ン年前はISO100でもこのぐらいは撮れた。